ゆったりとした歩みで、こう生きなさいと言われているかのようなリズム。懐かしい思い出を大切にしなさいと言われているかのようなメロディ。それはまるで、美しい一日の終わりの時間。心にあたたかさが射し込む時間。
アイルランドの音楽をギターだけで弾く。エッセンスだけを残したような響き。アイリッシュだけでなく、クラシックからポップスまで幅広い素養を持った中村大史という稀有なミュージシャンだからこそできる演奏。緩やかな明るさに満ちたそれは、「ありそうで無かった」そして「あって欲しかった」という最大級の賛辞を贈りたいアルバムとなりました。
雨と休日 ウェブサイトにて、インタビューが掲載されています。
中村大史 インタビュー
「中村大史」は、皆さんにとってどのような音楽家でしょう。
マルチプレイヤーである彼からは、様々な姿を想像するかもしれません。
ギター弾き、アコーディオン弾き、ブズーキ、バンジョー、、もしかしたら歌うたいという人も。
中村君(僕はいつもアニーさんと呼んでいる)との出会いは、
2011年に「雨と休日」の店主である寺田さんが企画した忘年会でした。
僕はそういった会に参加するものの、面識の無い人に自ら声を掛ける事ができない人見知りなんですが、
アニーさんはそんな僕にも優しく声を掛けてくれました。
しかも僕のアルバムを聴いてくれていると知り、嬉しく思いました。
その1年後、サポートギタリストを探している時に、John John Festivalのミュージックビデオで
アニーさんがギターをかき鳴らしている姿を観ました。
こんなにも素晴らしいギターを弾く彼と一緒に演奏したいと直感し、
ダメ元で伴奏のサポートをお願いしたところ、快く引き受けてくれました。
それからはツアーに出たり、アルバムの録音をしたりと、一緒に過ごす時間が増え、
音楽家としてだけではなく、人として大切な事も沢山、アニーさんから学びました。(ちなみに僕は年上)
素直な心を。人を想い気遣う心を。
「guitarscape」を聴いていても、やはりそれはありました。
アニーさんと共に奏でる音楽家も、そのリスナーも、
単にアニーさんの音楽的なセンスだけでなく、
内からも外からも滲みでる優しさに惹かれているのではないでしょうか。
どんな楽器で、どんな音を奏でていても、
「中村大史」という音楽家の魅力は、そこに共通するのかなと思っています。
「guitarscape」をリリースして本格化するであろう、ソロギター弾きとしてのアニーさんの活動も楽しみに、
これからも一緒に音楽ができたらとても幸せです。
2017年 高坂宗輝 paniyolo