DISCOGRAPHY

Bildkadro
Hirofumi Nakamura [CD]

2022.10.21 / ¥3,000(price on website) / ST-03[CD]
*部数限定発売

01  Aruk
02  Farewell
03  Gallery Ⅱ - West
04  Gallery Ⅲ - South
05  Misty City
06  Dawn vocalise - alt ver.
07  Gallery Ⅰ & Ⅳ - North, East
08  Letter
09  Our Birth
10 Home Planet

Guest Musician
Rie Takeuchi / Alto, Tenor & Baritone Saxophones, Clarinet - track 01
Manami Kakudo / Marimba, Vo (Improvisation) - track 04, 07
(appears by the courtesy of Universal Classics & Jazz, a division of UNIVERSAL MUSIC LLC)

Mastering : Gen Tanabe (Studio Camel House)
Artwork : Takayuki Fujikawa
Design : Kahan Ishimoto (AUN.graphic)
Printing : Shinohara Shiko Ltd.

Ⓟ&Ⓒ 2022 single tempo

「額縁はいつも、抱える作品を、そして聴衆のいる世界を見ている」
アーティストとしてのHirofumi Nakamura と、
作曲家としての中村大史の境界はときに隔たり、ときに混ざり合う。
ダンス、映像、バーチャル美術館、ブランドイメージ楽曲など
「何かと出合ってやがて完成することを目的として作られた」楽曲をまとめた作品集。

01 Aruk
2021年7月に開催されたダンスワークショップ「LAND FES DIVERSITY 深川」のための楽曲。
7日間に渡るワークショップでは、7人のダンサーとワークショップ参加者がそれぞれ深川の街へ飛び出し、多様な街並みと身体によるダンス映像作品が制作された。
以下はワークショップ開催時に添えたコメント。
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隅田川のほとりから六間堀へ、清澄公園を抜けて清澄長屋、木場公園、洲崎に小名木川、富岡八幡宮と深川を巡り歩いて感じたのは、そこにはいつも小さな生き物が沢山生活している気配が満ちていること、クルクルと変わる景色のそれぞれにしっかりと印象があることでした。

7つの楽曲は、歩く足音と一つの旋律を軸に、様々なリズム、楽器、異なる旋律が加わってできています。

7つのパフォーマンスで歩かれる深川の景色がひとつになる時、7つの楽曲もまたひとつになって、モリモリでヘンテコな、見たこともない「Aruk」という音楽が浮かび上がります。
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バリトン&テナー&アルトサックス、クラリネットの演奏は竹内理恵さん。

02 Farewell
ある夏、小学校3年生~中学校3年生の子どもたち12名と 10日間のワークショップを通してダンス作品を作るプロジェクトの音楽を担当した。
事前に準備したのはメイン曲となる楽曲のみ。この懐古的なピアノソロは、ワークショップの2日目を終えて稽古が本格的に始まるタイミングで作った、素材となる様々な風合いの音楽のうちのひとつ。
使用したのは、女の子2人が 触れ合わず、視線を合わせて流れるようにダンスするシーン。

03 Gallery Ⅱ - West
とあるweb 上の美術館のためのBGM として制作。
展示は中央の部屋から四方に一つずつ、全部で5つの部屋に分かれており、それぞれの部屋では異なる楽曲が流れている。中央の部屋では、隣り合わせた4つの部屋からもれ聞こえる音楽が重なって聴こえる。
そのうちの1つ「Gallery Ⅱ - West」は、クラシックギターとマンドリンによる、さざなみのモチーフ。

04 Gallery Ⅲ - South
続いての部屋は、角銅真実さんによるマリンバ演奏。「Gallery Ⅰ」「Gallery Ⅱ」の楽曲に合わせて即興的に奏でられた演奏は、深い海のようであり、乾いた平地のようであり、いつか見た星空のようでもある。

05 Misty City
役目を終えたパラシュートが再利用され、バッグとして生まれかわるプロジェクト「HOZUBAG」。
その産地、霧の都として知られる京都府亀岡市のイメージムービーのための楽曲。
映像は金巻勲さん。「ファッション イン ジャパン 1945-2020 ― 流行と社会」
(2021年、国立新美術館、島根県立石見美術館)で展示された。

06 Dawn vocalise - alt ver.
台中のギャラリー「箱庭」がプロデュースしたコンピレーションアルバム「日々」に収録。
5人の日本のアーティストが、何気ない1日の流れの中の5つのシーンを音楽で表現した。
この楽曲はその中の1曲目、夜明けとともに一日がはじまる午前6時15分をイメージした楽曲。

07 Gallery Ⅰ & Ⅳ - North, East
こちらは2つの部屋の楽曲を合わせて。まずはじめに生まれたアコーディオンの祈りのモチーフ「Gallery Ⅰ - North」と、角銅真実さんの即興的な声のパフォーマンス、 そして最後にピアノの響きが添えられた「Gallery Ⅳ - East」。
なお、名付けられた方角は、実際のヴァーチャル美術館のレイアウトとは関連されていない。

08 Letter
2020年夏、かねてから共同作業の多かった作曲家 平本正宏さんと、カセットテープ作品「Impro - Letter」を制作した。
一方が作った音素材を送り合い、もう一方がそれに録音を重ねる往復書簡の形式で5曲を制作。
そのうちの1つの、まだ彼からの返事が重ねられる前の手紙。

09 Our Birth
出産の手術を2日後に控えた まだ蝉が鳴きやまぬ夏の日、僕が立ち会うことのできない手術中にBGMとして再生してもらうための音楽を作った。
妻の不安が和らぐように、そして、その瞬間に この世界へようこそ!と迎えるために、自宅のピアノの前に座り、ただただ響きに任せて、祈るような気持ちで演奏した。
それは僕にとって作曲や創作とは異なる、そこに父がいるという存在感そのものになってほしい 願いのような出来事。後にも先にも、最も私的な音楽。

10 Home Planet
吉祥寺に2020年にオープンした「Home Planet」がプロデュースするコンピレーションアルバムのために制作した楽曲。
この楽曲の制作を機に、小さなものが沢山集まって大きなものを生み出すような音像への興味が今に続いている。

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